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株式会社 竹中工務店

クラウドで設計に関するデータの一元管理を担う設計BIMツール。B-LOOPとの連携により質の高い情報共有を可能にし、BIM活用の推進を加速させる。

24.08.28

日本を代表する大手総合建設会社である竹中工務店様では、『オープンBIM』を掲げてBIM活用を推進されてきました。2019年からは設計領域業務のプラットホームを構築すべく、「設計BIMツール」の開発に着手。その中で、BIMモデルと空調・省エネアプリを連携し、設備設計の効率化を実現する弊社の「B-LOOP」との連携活用を進めてきました。本インタビューでは、「設計BIMツール」の開発の経緯や、「B-LOOP」との連携の中で感じた効果、今後の展望をお伺いいたしました。

株式会社 竹中工務店
竹中工務店:設計本部BIM推進グループ 本間 貴大様、松下 文様、阿波田 宙様
イズミコンサルティング:BIMソリューション事業本部 営業部 鈴木 経仁、濱脇 清志郎

2度の社内リリースを経て、本格的な運用を開始

本間 弊社では2019年から設計領域業務のプラットホームを作ろうと設計BIMツール開発に取り組んできました。2023年までの4年にわたる開発を、2年に分けて「1期開発」「2期開発」とし、「1期開発」にあたる2021年の秋に一度社内リリースとして運用を開始しました。2023年の10月に「2期開発」のリリースを経て、基本設計に着手する全てのプロジェクトに適用を始めました。
現在は社内で使用している設計者から寄せられる要望をもとに改良改善と追加開発をしながら、ユーザーへの普及教育を行うことで、ツールを活用する機会の拡大を行っています。

松下 「設計BIMツール」を運用していくうえで、どういった改善をすべきか明確にしていくために、まずは実際のプロジェクトで使ってもらって、改善点や効果的な活用法について、開発者とユーザー間でディスカッションし続けている状況です。

B-LOOP連携によって質の高い情報共有が可能に

松下 設計BIMツールは3つのソフトウェアで構成されています。
建物に関する様々な情報と形状に関わるデータをBIMモデルと連携しながら一括管理するプラットホームである「設計ポータル」、設計ポータルに入力された情報を基に設計業務の効率化を図る「設計アプリケーション」、BIMモデルの品質チェックを行う「モデルチェッカー」です。
これまでは図面ベースでの情報共有だったところを、設計BIMツールによって建築設計、構造設計、設備設計それぞれの作業領域と各作業に関するデータをクラウド上で一元管理し、設計者が常に最新の情報を共有・活用できるようになりました。

阿波田 弊社の設計BIMツールの中でイズミコンサルティング様のB-LOOPと連携することにより、熱負荷計算から機器選定まで一元化して情報を活用できることで、今までコピー&ペーストの繰り返しや手入力によって発生していた不整合が起こらない、理想的な状況を作りだせたのは大きなメリットだと思います。

互いのビジョンの共感から、設計BIMツールとB-LOOPの連携が実現

阿波田 「設計ポータル」の開発にあたり、弊社の設計ツールに熱負荷計算を連携したいというニーズがありました。その中で以前からイズミコンサルティング様の「STABRO負荷計算」を使わせていただいていたのをきっかけに、B-LOOPとのシステム連携につながりました。現在はSTABRO負荷計算に加えて「SeACD」とも連携しています。

鈴木 はじめは、竹中工務店様から設計BIMツールを弊社の熱負荷計算ソフトと連携させたいというお話をいただいたのですが、そこで当時開発中だったB-LOOPのことをお伝えしました。クラウド上でデータを一元管理するという我々と同様の構想をお持ちだったこともあり、理念に共感していただきB-LOOPとの連携が実現しました。

松下 他の設備メーカー毎に出している類似サービスも検証したのですが、イズミコンサルティング様の製品の場合は、特定メーカーだけではなく様々なメーカーの機器ライブラリを整備されているので、機器選択の自由度が高いことが特徴だと思います。

今後のイズミコンサルティングへの期待

阿波田 私も以前より、手作業で情報を拾っていくアナログなやり方に疑問を抱いていましたが、今回の開発プロジェクトを通じて、熱負荷計算などが自動化できることは業務改善に大きくつながると感じました。ユーザーは「簡単にできる」ことを求めているので、この大きな変化は実感してくれると期待しています。

濱脇 弊社としても、ユーザー視点に立ち、業務効率化や課題解決につながるようB-LOOPを推進してきました。いちツールの導入に留まらず、ワークフローの見直しが必要となるため、運用に向けたコンサルティングも実施しています。B-LOOPが不可欠な存在になるよう、ブラッシュアップしていくことが、今後の使命ですね。

松下 ユーザーは「簡単にできる」ことを常に求めていて、基本設計段階で省エネ計算のBEI値がリアルタイムで出るようなツールが欲しいという声もあります。また、今後は省エネ法がより厳格化されると思うので、イズミコンサルティング様のサービスと効果的に連携をとり、早期の検討が可能になると、よりメリットが明確になると思っています。

本間 イズミコンサルティング様には汎用的な建設設備のBIMライブラリの整備を先導してもらいたいです。将来的には、クラウド上に同じ標準データベースとして構築し連携する世界を設備業界が望んでいるので、イズミコンサルティング様と連携をとって推し進めていきたいですね。

オープンBIMによってすべてがつながる世界に

本間 弊社はオープンBIMを基本としてあらゆるデータがつながる世界を目指しています。2026年までにBIMモデルを中心とした仕事を定着させ、2030年にはあらゆるデータが循環することにより付加価値のある提案をお客様に展開していくことを目指して取り組んでいきます。

一元化されたデータ活用による不整合の起きない建築業界のDXの未来を、イズミコンサルティング様との連携で叶えていきたいですね。

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