信州大学と共同で将来気象予測に基づく建築エネルギー最適化と環境コミュニケーション支援ツールの構築を開始
株式会社イズミコンサルティング(本社:東京都新宿区、代表取締役:小池康仁、以下「当社」)は、信州大学 工学部建築学科 中谷研究室と共同で、気候変動を見据えた建築設計において、環境性能・快適性・コストなどの複数要素を総合的に評価・共有できる「環境コミュニケーション支援ツール」の開発に着手しました。
信州大学の将来気象予測や多目的最適化アルゴリズムといった先端的技術に、当社が持つ建築環境分野の性能向上支援とLCA(ライフサイクルアセスメント)の実務知見を融合させることで、科学的根拠に基づいた設計検討を関係者間で円滑に進められる仕組みの実現を目指します。
研究の背景と目的
気候変動の進行により、猛暑や豪雨などの極端気象が都市や建築環境に深刻な影響を及ぼしています。加えて、建築には快適性や経済性、環境への配慮など、複数の要素を考慮した計画が求められます。そのため、計画の初期段階からこれらの要素を視野に入れ、柔軟かつ合理的に判断できる仕組みを整えるとともに、関係者間で合意形成を図ることも重要です。
本研究では、信州大学がこれまで培ってきた予測・最適化・可視化の技術と、当社のLCAや建築環境分野における実務知見を組み合わせ、適切な設計判断を支える基盤の構築と、その社会実装に向けた取り組みを進めていきます。
図:研究の流れのイメージ
主な研究内容
●標準建物モデルに基づくエネルギー予測モデルを構築
●都市部の将来気象予測データ(EPW形式)の生成
●WebProと最適化システムを接続して作成したデータセットから応答曲面を作成
●パラレルプロット多目的最適化のUI作成
●ツールの実装・業務適用支援
各機関の紹介と役割
信州大学 中谷研究室
中谷岳史 NAKAYA Takashi
信州大学工学部建築学科助教
研究内容
気候変動に伴う気温上昇に対応するため、建築の設計・改修における最適な手法を検討。また、近年の水害の増加に対応するため、被災住宅の復旧プロセスを体系化し、実践的な対応マニュアルを開発するプロジェクトにも取り組む。
本研究での役割
・標準建物モデルに基づく建築物のエネルギー予測モデルの構築
・都市部の全地球モデルに基づく将来気象予測データの生成
・シミュレーション結果の可視化や解析手法の開発
株式会社イズミコンサルティング
業務実績
ZEH・ZEB認証、省エネ適判、環境認証(CASBEE ® ※1・LEED ® ※2)などに関する実務支援を通じて、建築物の省エネルギー性と環境性能の向上を推進。CFD解析による温熱・気流・風環境の評価や、BIMを活用した設計支援にも取り組むほか、近年では建築物LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からも、環境配慮型建築の実現に向けた取り組みを進めている。
※1)CASBEE®は、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の登録商標です。
※2)LEED® is a registered trademark of the U. S. Green Building Council.
本研究での役割
・標準建物モデルを用いたLCA(ライフサイクルアセスメント)の算定
・建築積算情報との統合・データ提供
・コミュニケーションツールの実装に向けたスキーム構築
今後の展開
本取り組みでは、標準建物モデルを対象としたエネルギー・環境評価やLCA算定の高度化を進めながら、ツールのプロトタイプ構築と実用性の検証を行っていきます。将来的には、設計者や施主、地域社会など多様な関係者による情報共有を通じて、複数パラメータをもとにした設計パターンの検討を支援する仕組みづくりを目指します。
会社概要
社 名:株式会社イズミコンサルティング
所在地:東京都新宿区揚場町1番21号 飯田橋升本ビル4階
代表取締役:小池 康仁
設 立:1973年9月1日
事業内容:建築環境関連業務、建築防災関連業務、BIM関連業務
ウェブサイト:https://izmc.co.jp
お問い合わせ先
株式会社イズミコンサルティング
広報室
E-mail:PR@izmc.co.jp