
早い段階からRevitを実案件で効果的に活用し、現場に入る前に干渉回避できるようになったことで、図面の効率が飛躍的に向上。
25.05.07
プラント建設における企画段階から、設計・建設・重量物輸送・据付・試運転までのトータルなサポートが可能な山九株式会社様。お客様の操業支援と設備のメンテナンス、調達・生産・販売までの各種物流にいたるまで、すべてに対応する体制を整えています。
独自の建設統合プラットフォーム構築にあたり、電気設計での早期3D導入が課題でした。弊社Revit MEPトレーニングを受講され、その後実案件で活用されている感想と、前後で何が変わったのかについてお伺いしました。
内田 山九グループが長い歴史の中で培ってきた「物流と機工が一体となったトータルサポート」を行うための一貫責任施工体制の中で、機械・配管・電気・計装設計業務を担うのが我々設計部です。業務効率化のため、BIMを活用した弊社独自の建設統合プラットフォーム構築の検討をする上で、機械・配管・電気、設計部全セクションのBIM化が求められていました。その中でも運用が遅れていた電気設計での早期3D導入が課題となっていたんです。
中村 電気配線工事は配管工事と違い、かなり自由に配線することができます。コードと一緒で色々な所を通せるため、別に図面を3D化しなくても良いのではということで、3D導入が遅れていた分野でした。
内田 とはいえ関係各所がクラウド上で情報を共有し、ドキュメントを一元管理していくことの業務効率や品質面でのメリットは明確でしたので、電気設計で使用できる3Dソフトウェア、そして導入を支援してくれるパートナーを探していました。関西で開催された展示会に参加し、イズミコンサルティング様のブースに立ち寄った際に検討中ソフトウェアの1つであったAutodesk社様のBIMソフトウェアRevitにおいて、電気設計での支援が可能という話を伺いソフトウェアの導入と、運用までのスケジュールを詳細に検討しました。
他部門では既にAutodesk社様製品を長年使っていて弊社内での信頼も厚かったのですが、そのAutodesk社様認定のパートナーであり、Revit User Group(略称:RUG ラグ)の中心であるイズミコンサルティング様であれば、導入支援をお願いして間違いないだろうということで、Revitの導入とイズミコンサルティング様に導入支援をお願いすることを決定しました。
若松 トレーニングの受講生として指名されたのですが、「BIMって何?」というまったくゼロからのスタート。いざ受講してみると扱う情報量や見たことがない単語・文言が多く、最初は随分戸惑いましたし、正直に言って「3Dなんていらない。必要ない。」と思いました。
ただ質疑応答シートや操作マニュアルなどしっかりとした資料をご用意いただいただけでなく、定例打ち合わせなどわからないことがあればすぐに質問できる体制など、手厚くサポートしていただけたのがありがたかったです。
重田 通常のRevitトレーニングはサンプルモデルを使用しながら、ある程度時間をかけて段階的にステップアップしていくのですが、今回は直後に実際のプロジェクトが控えているということで、トレーニング自体は非常に短い期間の集中講座を実施しました。過去のお客様が実際に使用する際に引っかかっていた箇所や、よく聞かれた質問などをピックアップし、実務に即したトレーニング内容にしました。
若松 その後すぐにプロジェクトが動き出したので、Revitを実案件で活用しながら教えていただくことに。当然最初は使いこなせず、何をするにも重田様に質問してはフィードバックを受けて、を繰り返しました。都度親切丁寧な回答をいただけたので、そこまで躓かずに案件を進めることができました。
重田 お客様に合わせてトレーニング内容は適宜コーディネートしているのですが、短期間の講座後すぐに実物件を活用するケースは初めてで、多少不安はありました。ただ若松様の飲み込みがとても早く、毎回の質問も的を射た内容でしたので、着実にレベルアップされていることがわかり安心しました。
佐々木 早い段階からRevitを実案件で効果的にご活用いただけたので、結果として素晴らしいモデルケースになった事例でした。
中村 トレーニングをして終わり、ではなくプロジェクト進行後もサポートしていただけたのはありがたかったです。イズミコンサルティング様にテンプレートやファミリを作成していただくのと同時に弊社で図面を作成し、すり合わせをしながら実践を積み重ねることができ、本当に助かりました。
ファミリについては、「汎用性の高い物を作成したい」というこちらの要望を綿密にヒアリングしていただき、応用の利くモデリングなど、満足できる物を作成していただけました。機能的に全てを解決できない場合もそれで終わらせず、ここまでならできます、という提案を常にしてくださいました。
若松 Revitの知識と技術は大きく向上しましたが、マインド面でも変化があり、最初は高い壁に見えても、「触ってみればなんとかなる」と思えるようになりました。色々な新しい分野に前向きに取り組めるようになったと感じています。
中村 BIMが導入されて、他の工事との干渉を事前に解決可能になったことが大きなメリット。現場で一番大変なのが、電気配線が他の配管や機械、手すりなどの建築物とぶつかった際に、どちらが避けるのかという折衝と調整なんです。各部署で3Dモデルを共有し、現場に入る前に干渉回避できるようになったことで、図面の効率が飛躍的に向上しました。
中村 現状の延長ですね。新入社員が使いやすいよう、電気の3D図面をモデリングしやすくするためのファミリやテンプレートを更に充実させたいので、そこをご支援いただきたいです。我々の技術不足なのか、Revitの機能としてできないのか、判断に迷った際なども引き続き相談に乗っていただけるとありがたいです。
若松 社内の3D環境構築において、まだまだ難しくて手が届かないところもあるので、そこをお力添えいただきたいです。業界を見渡しても、電気のRevit活用自体が発展途上。イズミコンサルティング様に整備していただき、業界全体を引っ張っていただきたいです。
内田 一年前は「3Dなんていらない。」と言っていた若松から今の発言が出ることが大きな成長ですし、イズミコンサルティング様のおかげで、電気設計での3D導入がうまくいった証明だと思います。今後ともご支援いただければと思います。
佐々木 ありがとうございます。Revitで今はできないことでも、定期的に新機能がリリースされて、できることはもっと増えてきます。中長期的な観点でも皆様の業務効率化に貢献できればと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。